乳首の種類
乳首の形には正常乳頭だけでなく、陥没乳頭や扁平乳頭、巨大乳頭、短乳頭といった変形乳頭があるんです。
変形乳首のタイプによっては、授乳がしにくかったり乳腺炎にかかりやすかったり、デメリットが生じてしまう場合があります。
正常乳頭
正常乳頭とは、乳頭が約1センチ突起しており、乳頭の直径が約1センチの大きさをしているものを指します。
ちなみに、女性に最も多いタイプが正常乳頭です。
変形乳頭:陥没乳頭
陥没乳頭とは、乳首の先端に突起が無く、乳房の中に乳頭が埋まってしまっているものを指します。
陥没乳頭には「真性」「仮性」の2種類があり、指で引っ張たりマッサージをしたりするなどの刺激を与えると乳頭が外側に出てくるかで分かれます。
仮性
何らかの刺激を与えると、乳頭が外側に出てくるタイプ。
真性
何らかの刺激を与えても乳頭が外側に出てくることがなく、乳頭が常に陥没しているタイプ。
また、片方の乳首だけが陥没乳頭であることもあります。
陥没乳頭は、陥没部分に汚れや雑菌が溜まりやすいため、乳腺炎などのトラブルを起こしやすいです。
変形乳頭:扁平乳頭(へんぺいにゅうとう)
扁平乳頭とは、乳頭に出っ張りがなかったり短かったりして、乳頭と乳房が平らになっている状態の乳首のことを指します。
乳頭の高さが5ミリ以下しかない場合は、扁平乳頭のようです。
変形乳頭:巨大・長大乳頭
巨大乳頭は、乳頭の長さや直径が約2センチ以上あるものを指します。
日常生活で支障はないとされていますが、乳頭の見た目が気になると悩む女性が多いそうです…。
逆に短すぎる乳頭は、短乳頭と呼ぶ
短乳頭とは、乳頭の長さや直径が約2ミリ~3ミリしかない大きさのものを指します。
短乳頭も日常生活では支障がないとされていますが、乳頭が小さ過ぎるため授乳時に赤ちゃんが乳頭を吸いにくいのがデメリットです。
しかし、乳輪全体を吸わせるように授乳できれば、そこまで問題になりません♪
変形乳頭の原因
陥没乳頭
陥没乳頭には“先天性”のものと、“後天性”のものの2つがあります。
先天性陥没乳頭
“先天性”陥没乳頭の原因は、母乳をつくる役割がある「乳腺」と、母乳の出口である「乳管」の発育がアンバランスであることだと考えられます。
短い乳管束が、乳頭を引っ張ってしまうため、乳頭が陥没してしまうんです。
後天性陥没乳頭
後天性陥没乳頭になった場合、乳がんや慢性乳腺炎の恐れがあります。
【乳がんの場合】
乳がんになると、腫瘍が乳頭付近にできることで、乳頭が陥没してしまうそうです。
ある日から突然、陥没乳首になっているという後天性の場合は、病院で一度診察してもらうことをオススメします。
【慢性乳腺炎の場合】
慢性乳腺炎になると、乳輪の下に痛みを伴うしこりができる恐れがあるんです。
しこりが大きくなると、赤く腫れあがったり、膿が出てきたりしてしまいます。
陥没部分に角質などの汚れが溜まって雑菌が増殖し、角質などの汚れが乳管から体内へ入り込んで細菌感染が起こることが原因のようです。
そして、慢性乳腺炎は授乳経験がなくても、陥没乳頭が要因となって症状を発生しやすいと言われています。
しこりができると、乳がんとの区別がつきにくいため自己判断では難しいので、一度病院を受診しましょう。
扁平乳頭
扁平乳頭の原因は、乳管の周りが繊維化(硬化)して、胸や乳首の成長に対して乳首が成長せず、乳首の高さが不足して起こると考えられます。
成長過程で扁平乳頭になってしまう先天性が多いですが、扁平乳頭の症状がもっとひどくなると、陥没乳首になってしまうかもしれません。
また、乳輪を小さくする乳輪縮小手術の影響で扁平乳頭になってしまう場合もあります。
巨大・長大乳頭
先天性の巨大・長大乳頭の場合は、成長過程や乳頭だけが成長してしまったことや、生まれつきが原因になっていると考えられます。
後天性の巨大乳頭の場合には、授乳時や乳頭のいじりすぎが原因になっていることが多くあるようです。
男性に、乳首をいじらせるのはできるだけ控えましょう(笑)
後天性の場合は、妊娠や出産と関係あり!?
後天性の場合、妊娠や出産、授乳が原因で巨大・長大乳頭になっている場合があります。
妊娠すると女性ホルモンの分泌が過剰になり、体内では出産準備が始まるんです。
そのため、授乳のために胸も2カップほどサイズが大きくなり、それに伴って乳輪や乳首も大きくなります。
ある程度の、乳頭の大きさと突起があれば、赤ちゃんは母乳の飲み口を見つけやすくなり飲みやすいですよね♪
通常であれば卒乳を迎えるころに胸は徐々に元のサイズに戻るのですが、稀に胸が元のサイズに戻らないという場合もあるようです。
変形乳頭の対処法・矯正方法
吸引器具を使用
今回紹介した変形乳頭の中で巨大・長大乳頭以外は、乳頭が内側へ引っ込んでいるような状態であるため、乳頭を外側へ引き出す必要があります。
その際、指で上手く乳頭を引き出せない場合は、市販の乳頭吸引器を使用するのがオススメです!
仮性の陥没乳首は、セルフケアで改善しやすいとされているので、一度試してみましょう。
マッサージをする
低刺激のオイルを使用し、乳頭マッサージを継続して行うことが、変形乳首には効果的とされています。
仮性の陥没乳首の場合は、乳首に刺激を与えることで自然と乳頭が外側へ出てくるはずです。
マッサージは入浴中や入浴後などカラダが温まり、血行が良くなっているときに行うと効果的です。
しかし、妊娠中の方は、乳首を刺激すると子宮が収縮してしまう場合があるため、マッサージは控えてください。
また巨大・長大乳頭の方も逆効果になる可能性が高いので、マッサージは控えましょう。
乳頭ケアも大切
乳頭の陥没部分に垢や汚れが溜まってしまうと、雑菌が繁殖しやすいため乳頭ケアが大切です。
雑菌が繁殖して乳腺部分が炎症してしまうと、痛みや発熱などの症状を引き起こす恐れがあります。
お風呂で乳頭を刺激して乳頭を突起させ、溜まっている汚れをできる範囲で優しくキレイにしましょう。
乳頭をもっと外側に出すという対処法なので、陥没乳頭と扁平乳頭はほとんど同じです。
手術
変形乳頭が改善されない場合、本格的に変形乳頭を治療したい場合、真性の陥没乳首の場合などは、病院で手術を受ける方法があります。
ただし、手術を受けて変形乳頭を改善できたとしても、手術方法によっては授乳機能が失われてしまう恐れがあるんです。
また、稀に再発してしまったり、健康保険が適用されない場合があったりなど、手術を受けるリスクがいくつかあります。
母乳育児を考えている人はとくに専門医としっかり相談した上で、治療を行いましょう。
未成年者でも、保護者と共にカウンセリングを受けて、保護者の同意があれば手術が可能のようです。
施術について
陥没乳頭の場合、患者さんの乳頭の状態や病院の術法によって変わってはきますが、だいたい麻酔時間を含めて1時間前後という短時間で済むそうです。
費用については、40歳未満の方で今後授乳予定がある方は保険が適そうされる場合があるのですが、自費診療になる場合もあります。
巨大・長大乳頭にセルフケアはNG!
巨大乳頭や長大乳頭を、セルフケアで対処するのは不可能に近いとされています。
陥没乳頭や扁平乳頭とは違い、乳頭マッサージを行うとさらに乳頭が大きくなってしまい、逆に症状が悪化する恐れがあるんです。
巨大乳頭や長大乳頭は日常生活で問題はほとんどありませんが、どうしても改善したいという方は、手術という方法はあります。
一度、医師と相談してみましょう。
授乳期に変形乳頭はデメリットに…
ママの乳頭が母乳の飲みにくい変形乳頭だと、赤ちゃんが乳頭に舌を巻きつけにくく、乳頭混乱の原因の1つになる恐れがあります。
混乱乳頭とは、赤ちゃんが哺乳瓶からなら飲むのに、母乳だと飲んでくれないという状況です。
縦抱きで母乳をあげたり、乳頭が小さい場合は乳輪全体を吸わせるように授乳したりすれば、変形乳頭でも授乳をあげやすくなるそうです♪
ちなみに正常乳頭は、授乳時に赤ちゃんが最も吸いやすいサイズの乳首だとされています。
まとめ
乳頭の形には正常乳頭の他に、陥没乳頭や扁平乳頭、巨大・長大乳頭などという変形乳頭があります。
変形乳頭は主に、胸の成長過程において乳腺や乳管の発達が不十分であったり、発育具合がアンバランスであったりするために起こるんです。
また、妊娠や授乳、病気などの影響で変形乳頭になることもあります。
吸引器具やマッサージなどのセルフケアで対処できる場合もありますが、変形乳頭を改善するセルフケアを行うためには注意が必要です。
巨大・長大乳頭の方や本格的に変形乳頭を改善したい女性は、美容外科などの医師に一度相談してみましょう。