どうして胸が張る?胸の張りの原因
そもそも、産後こんなにも胸が張るのはなぜでしょうか?
それは、母乳の分泌量と赤ちゃんの哺乳量が見合っていないことが原因です!
【胸が張るメカニズム流れ】
1. 赤ちゃんが乳首を吸って、母乳の分泌が促進される。
2. 上手に母乳を吸い出せず、母乳が余り、溜まってしまう。
3. 母乳が溜まりすぎ、乳管が詰まってしまい、パンパンに張ってしまう。
赤ちゃんは、ママのお腹の中にいる頃からおっぱいを吸う練習をしていますが、生まれて間もない新生児の時期は、上手に母乳を吸うことができない子がほとんどです。
おっぱいをうまく吸えないと、母乳の生産量とのバランスが取れなくなってしまうため、需要と供給が合わずに、おっぱいに母乳が蓄積されてしまうんです。
また、母乳を吸い出すのはとても体力を使うので、赤ちゃんが寝てしまい、授乳間隔があいてしまうのも、胸が張ってしまう原因となります。
胸の張りが辛かった私の体験談
私が1人目の子どもを出産した際も、上手に母乳を飲ませることができず、産前の3倍以上にまで胸がふくらんでしまいました。
溜まった母乳が乳房におさまりきらず、1日中シャワーのように乳首から母乳が出続けているような状態で、とてもツラかったのを覚えています。
この時も、授乳間隔は長いときで5時間以上開いていました。
あまりのツラさに、母乳を自分で手絞りしたり、搾乳機でスッキリするまで絞りだしたりしていましたが、これがまた胸の張りを悪化させる原因に…。
母乳を絞り出すことで、「もっと母乳を作らなきゃ!」とカラダ働くため、不要に母乳が作られて、状態が悪化してしまったんです。
この痛み、いつまで続くの!?
結論から言うと、胸の痛みが続く時期には個人差あるので、「いつまでに必ず治ります」とは言い切れません。
胸の張りがさほど酷くない方は、産後1ヵ月程度で痛みが落ち着く場合もありますし、3ヵ月経っても痛みが続く方もいます。
ちなみに私は、痛みが引くまで産後5ヶ月程度かかりました。
ただ、一般的には、生後2、3ヵ月を目安に、赤ちゃんの母乳を吸う力も強くなり、体力もついてくるので、その頃には胸の張りが落ち着くと言われています。
母乳の分泌量に、赤ちゃんの哺乳量が追い付いてくるので、溜まり乳にならず胸の痛みも緩和されるということなんですね。
胸の張りの対処法10選
冷やす
母乳は血液でできています。
そのため、おっぱいを温めてしまうと、血流が良くなり、母乳の分泌を促進してしまいます。
私はお風呂に入ると、よく母乳が乳頭からシャーっとシャワーのように出ていたのですが、これは胸が温められたことによって起こる現象でした。
胸の張りを抑えるには、温めるのとは逆に「冷やす」ことが有効です。
保冷剤をガーゼで巻いて、痛みが強いところにあてると、スーッと痛みが和らぎますよ。
おすすめの冷やし方は保冷剤とキャベツ湿布
私は、外出先でも胸を冷やしていたかったので、授乳ブラの母乳パッドを入れるポケット部分に保冷剤を入れて冷やしていました。
保冷剤を手に持ってあてる必要がないので、とても便利ですよ!
冷えピタなどの湿布も便利ですし、冷やすという面では有効なのですが、薬剤ということもあり、授乳中に使うのは心配になりますよね。
そんな時は、手作りの“キャベツ湿布”もおすすめです。
手作りと言っても、よく洗って冷やしておいたキャベツをおっぱいに貼るだけなのでとても手軽にできます。
ただし、おっぱいの冷やしすぎはカラダにも良くないですし、最悪の場合母乳が出にくくなってしまう可能性もあるのでやりすぎには注意しましょう。
搾乳する
適度に搾乳する程度ならば、胸の張りを抑えることができます。
搾乳する目安は「胸の張りがちょっぴり楽になる程度」です。
搾乳すると、溜まっていた母乳が抜けてとてもラクになるので、ついどんどん搾乳してしまいたくなります。
ですが、搾乳のしすぎは、私が経験したように、母乳の分泌を促進させ、今以上に胸の張りが酷くなりかねませんので気を付けましょう。
ちなみに、私は「メデラ 手動搾乳器」を使用していました。
カップをおっぱいにあてて、軽くレバーを押すだけで、痛みもなく搾乳ができるのでとてもおすすめです。
片手で搾乳できて便利ですし、カップに目もりがついていて、絞った量がわかりやすいのも良かったです。
しぼる
搾乳同様、自分でおっぱいを手しぼりして、母乳を出す方法も有効です。
おっぱいがカチカチに張ってツライけれど、手元に搾乳機がない!という時にも、手しぼりをおすすめします。
手しぼりの方法
手しぼりには、正しいやり方があります。
ただ単に乳房を圧迫しても、うまく母乳が出せないどころか、乳腺を傷つけてしまう場合がありますので気を付けましょう。
2.乳輪周りを、優しく痛くない力加減で圧迫します。
3.母乳がじわっと出てきたら、胸の張りがすっきりするまで繰り返します。
胸の張りのすっきり感は、赤ちゃんにおっぱいを飲ませ終わった時くらいすっきり感を目安にしましょう。
乳首から絞りだすのではなく、乳房を圧迫して“母乳を押し出す”ようなイメージでおこなってください。
母乳は乳首から分泌されますが、触れるのはあくまでも乳輪周りです。
しぼりすぎは逆効果
搾乳同様、手しぼりのしすぎも、母乳量が増えてしまいかねませんのでNGです!
しぼった後すぐは、一時的にすっきりしたように感じますが、すぐに張ってきてしまい、かえって逆効果となってしまいます。
手しぼりをする頻度は短くても1時間の1回程度にとどめ、しぼりすぎないように気を付けましょう。
飲ませ方を変える
赤ちゃんをいつも同じ方向、同じ体勢からおっぱいを飲ませていると、飲み残しができてしまい、しこりや張りの原因となってしまいます。
赤ちゃんにいろいろな方向から飲んでもらい、乳管が詰まらないように気を付けましょう。
交互に両胸からあげる
片方のおっぱいだけで授乳するのではなく、両乳与えるようにすると、おっぱいの張りを抑えることができます。
例えば、右左それぞれ5分ずつに調整するなど、偏りがないように授乳することが大切です。
いろいろな抱き方をする
授乳方法は1つだけに限らず、以下のようにたくさんの抱き方があります。
横抱き | 赤ちゃんを横向きの体勢にして、授乳する |
縦抱き | 赤ちゃんの体と頭を手で支え、向かい合うようにして授乳する |
斜め抱き | 横抱きのまま、赤ちゃんの姿勢を少し起こして授乳する |
フットボール抱き | 赤ちゃんを脇に抱えるようにして授乳する |
添い乳 | 赤ちゃんを寝かせ、向かい合うようにして授乳する |
※参照:ユニ・チャーム
スタンダートな方法としては、横抱きを行う人が多いですが、いろいろな抱き方をおこなうことで、赤ちゃんにしっかり母乳を飲ませることができます。
ちなみに私は、おっぱいの外側が張って痛むことが多かったので、フットボール抱きをするとラクになり、すっきりしました。
張って痛い部分やしこりのある部分を、赤ちゃんの下口がくるような体勢で授乳するのがポイントです。
授乳の際は、授乳クッションがあるとラクに行えますよ。
添い乳はママも寝たままの体勢でできるので、疲れているときにもおすすめです。
「あとしぼり」をする
おっぱいの出が悪いと感じたときや、授乳をしてもすっきり感がなく張ってつらい時は、“あとしぼり”も有効です。
あとしぼりのやり方は、搾乳や手しぼりと同様でOK!
しぼりすぎると母乳が作られすぎてしまうので、あとしぼりのやりすぎには注意しましょう。
マッサージをする
初めて母乳を出す時や、母乳の出が悪いと感じる時は、おっぱいマッサージが効果的です。
まだ乳管が開通していない場合
2. 乳輪を全体的にひねって、引き伸ばしては離すを繰り返します
乳腺がつまっている場合は、白い角栓のようなものが出ます
授乳前の簡単マッサージ
マッサージをしてより多くの乳腺を開通させることで、母乳の出が格段に良くなります!
2. 右のおっぱいを、付け根から乳首に向かって優しくもみほぐします(左も同様に)
授乳前にマッサージを行って、おっぱいを柔らかくしておくことで、母乳が出やすくなります!
※参照:ユニ・チャーム
下着を変える
産前に着用していたワイヤー入りのブラは、授乳育児中に適していません。
ワイヤーでの強い締め付けが、乳腺組織を圧迫して刺激を与えてしまい、胸の張りを悪化させる可能性もあるので、授乳期に適した“授乳ブラ”を着けるようにしましょう。
おすすめのブラを3つご紹介します。
【産前産後兼用リラックスフィット/ワコール/5,184円~】 前がクロスになっていてブラをすだけで授乳できるので、母乳派ママにぴったりです。 |
【ファーストマミングブラ/ワコール/6,480円~】 |
【2wayマミーブラ/ワコール/10,260円~】 着け心地が良いですし、カップ上部にホックがついて開け閉めができるので、授乳のしやすさも抜群です。 |
→マタニティブラはいつからいつまで?産後のブラの選び方とおすすめ11選
食事を変える
母乳はママが食べたものを材料に作られています。
つまり、ママが口にしたものが、赤ちゃんの栄養に影響するということなんです!
母乳に良い食べ物を積極的に摂ることで、質の良い母乳を赤ちゃんへ飲ませられるだけでなく、胸の詰まりも防ぐことができます。
脂っこいものやジャンクフードは、脂肪分が多いドロドロの母乳となってしまうため、乳腺を詰まらせて胸が張ってしまう原因となります。
ケーキなどの洋菓子や、アイスクリームなど、脂肪分が高いものをできるだけ避けた方が無難です。
逆に、積極的に食べた方が良い食品は、ごはん、根菜類、脂身の少ないお肉やお魚です。
毎日3食、栄養バランスの整った食事を心がけることが大切です。
母乳に良いお茶を飲む
母乳の分泌に良いとされているお茶を積極的に飲むことで、質の良い母乳が作られるようになります。
サラサラとしていて適度な脂肪分のある母乳は、乳腺も詰まらせる心配がないので、胸の張りを予防することができるんです。
私が実際に飲んでいて効果があったと感じたのは、“たんぽぽ茶”でした。
たんぽぽ茶は、たんぽぽの根っこから作られたお茶で、鉄分を豊富に含んでいるため、血液量を増やし、母乳量アップに期待ができます。
気になる同じの方は、商品のよって飲みやすさが異なります。
個人的には、たんぽぽ茶だけでなく、ハーブティーやルイボスティーが配合されているものがとても飲みやすかったのでおすすめです。
産婦人科に行く
産後、おっぱいのことで悩んだら、出産した産婦人科に相談へ行くのがいちばん安心です。
自分ひとりで悩みを抱える必要はないんです!どうしようもなくなる前に、“赤ちゃんと産後ママのケアのプロがいる、産婦人科へ行きましょう。
出産した産院ではなくてもOKですし、母乳外来を行っている助産院でも構いません。
看護師さんや助産師さんが丁寧にケアしてくれるので、おっぱいトラブルを解消へと導いてくれますよ。
胸の痛みを放置するとどうなる?
胸の張りをそのまま放置すると、しこりが乳腺を詰まらせ、乳腺炎を引き起こす場合があります。
乳腺炎は強い痛みを伴い、高熱を出すケースも少なくありません。
あまりの激痛に、授乳をストップしたいと思うお母さんもいるほどです。
ですが、乳腺炎は一度きちんと直せば、痛みを感じることなく授乳ができるようになります。
完全母乳育児を目指しているのならば、通院してしっかり治し、授乳を再開できるよう意思と相談することをおすすめします。
まとめ
母乳育児を目指すママは、一生懸命授乳をしようと回数が増えて、結果的に母乳過多となってしまうことが少なくありません。
私も実際に、1人目の時は「2、3時間おきにきっちり授乳をしなきゃ!」と張り切った結果、乳腺炎にかかってしまいました。
結果的に、乳腺炎にかかり、とてもツラかったことを覚えています。
おっぱいの張りがツライときは、ここでご紹介した解決法を試し、医師や助産師さんに遠慮なく相談することをおすすめします。
ママと赤ちゃんの授乳タイムがよりよいものになることを願っています!