チチガとは?
チチガとは、乳首周辺からワキガ臭に似たようなくさいニオイを発する症状のことです。
“乳首ワキガ”や“乳輪ワキガ”ともいわれています。
ちなみに、脇からニオイを放つワキガや、陰部からニオイを放つスソガという症状もあります。
臭くなるメカニズム
汗が出る穴を汗腺(かんせん)と呼び、汗腺には主に水分を出す“エクリン腺”と脂肪やタンパク質を出す“アポクリン腺”という2種類があります。
チチガに大きく関係しているは、アポクリン腺です。
ワキガ臭の元となるアポクリン腺は乳輪周りだけでなく、脇や陰部、おへそ周りにも存在しています。
アポクリン腺から分泌される汗には脂質やタンパク質が含まれており、汗に雑菌や皮膚にいる常在菌が繁殖し、分解する過程で悪臭が発生します。
チチガの場合、主に乳輪部のブツブツや、太い毛が生えている箇所にアポクリン腺が多くあり、そこから臭いを発していることが多いです。
アポクリン腺(アルカリ性)とは?
アポクリン腺からの汗には、雑菌が繁殖しやすい脂質やタンパク質だけでなく、糖質やアンモニアの成分が含まれています。
白っぽくて粘り気のあるような汗は、アポクリン汗腺からの汗です。
強いストレスや緊張をカラダが感じてしまうと、アポクリン汗腺が集中している脇や乳首周りからニオイのある汗を多量に出してしまいます。
すると、ワキガやチチガのようなニオイを発してしまい、衣類や下着にニオイが移ったり、黄ばんだりする原因にもなるんです。
エクリン汗腺(酸性)とは?
主にエクリン汗腺は、汗を出すことで体温調節を行っています。
運動時にかくようなサラサラしている汗は、エクリン汗腺からの汗です。
汗をかいたあとにしっかりと拭き取っていれば、エクリン腺から出る汗の大半は水分なので、ニオイの元にはなりません。
しかし、塩分やアンモニア成分を少し含んでいるため、長時間にわかり汗を放置していると、汗から菌が繁殖してしまい、汗臭いニオイを発します。
チチガになる4つの原因
1.妊娠や出産
アポクリン腺の分泌には、ホルモンバランスの変化と大きく関わっているため、妊娠や出産をすることでニオイが強くなることがあるんです。
また授乳によって、赤ちゃんの唾液がつくことによって汗をかくことで、蒸れやすく、雑菌が繁殖してしまうことも原因になります。
2.遺伝
アポクリン腺の数が多い人の方が、チチガになりやすいです。
アポクリン腺の数には、生まれつき数が決まっているため、少ない人もいれば多い人もいます。
また、アクリル腺から出る汗の量や、菌が繁殖して分解される際の分解速度は遺伝によって決まるといわれています。
ニオイは体質によっても変わるため、くささに個人差はありますが、両親のどちらかがワキガやチチガという方は、50%に確率で遺伝してしまうそうです。
3.下着
ワキガやチチガは男女関係なく発生する症状ですが、チチガは女性の方が発生しやすいです。
女性はブラやブラトップ、矯正下着などといった肌に密着する下着を着けているため、乳首に汗をかきやすかったり、蒸れやすかったりします。
そのため、男性よりも女性は雑菌が繁殖しやすく、ニオイもより強くなってしまうんです。
4.ストレス
人間はストレスを感じているときほど、ニオイの原因となるアポクリンからの汗をかきやすくなります。
ストレスが原因でチチガになるとは言い切れませんが、ストレスが溜まるほどチチガのニオイがきつくなってしまうんです。
ストレスによってニオイがきつくなったことで、チチガが気になりはじめる方もいるようです。
男性の場合
女性は、ホルモンバランスの乱れや下着の着用もチチガの原因になるため、チチガの発症率が男性より高いですが、男性もチチガになりますよ!
男性のチチガは、脂質が多い食事や肥満が原因となる場合が多いようです。
肥満気味の方は体内の熱を放出しづらく、汗をたくさんかいて蒸れが生じてしまうと、チチガのニオイがよりきつくなってしまう場合もあります。
チチガの対策【9選】
1.食生活の見直し
乳首周りにあるアポクリン腺からの汗を抑えるためには、ニオイの元となる脂質や塩分、糖分を控えた食事をすることが大切です。
コンビニ弁当やファストフードなどの外食も美味しいですが、脂質や塩分の摂取量をコントロールできないので、あまりおすすめできません。
家庭料理であっても、肉料理や揚げ物といった脂質の高いものばかりを食べていては、チチガに悪影響です。
チチガを改善するには、野菜を中心とした食事にしたり、濃い味付けばかりの食事ばかりしたりするのは、なるべく控えるようにしましょう。
また、塩分の多い味付けや、スパイシーな味付け、アルコールは、発汗作用を促すため、汗をかきやすくなってしまいますよ。
なるべく、和食を中心とした食生活に変えると、チチガ対策としてはとても良いですよ♪
2.通気性の良いブラ
通気性の悪いブラを着用していると、汗をかきやすいうえに、汗が蒸れてしまうためチチガには絶対にNGです!
たとえば、ポリエステルやナイロンといった化学繊維を使った下着は可愛いデザインが多いですが、通気性が悪いんです。
また、摩擦や静電気も起こりやすく、肌への負担も大きくなります。
チチガの女性には、メッシュやコットン素材などの、吸汗性に優れた下着がおすすめです!
また、胸を盛るためにヌーブラやパッドを着用している方は多くいるはずですが、ヌーブラやパッドは汗を発散しにくく、チチガの方には向いていません。
3.デートの前には下着を替える
アポクリン腺から出る汗は、汗をかいた直後はほとんど無臭であり、汗が蒸れてしまうことで悪臭を発してしまいます。
また、チチガの臭いが1度下着に付着してしまうと、洗濯しても臭いはなかなか取れません。
デート前は緊張して、チチガの臭いの元となる汗をたくさんかいている場合も考えられるので、デート前は下着を替えるように心がけましょう。
お風呂に入る時間があるときは、石鹸を使ってしっかり洗ってから新しい下着を着用すると、なお良しです!
4.クリーム
スプレーの制汗剤やデオドラント剤を使っても香りがつくだけで、チチガのニオイ自体は防げません。
チチガのニオイ自体を抑制する効果が期待できる、チチガやワキガ専用として売られているクリーム状などの商品でケアすることをおすすめします。
殺菌効果が期待できる馬油も、チチガ対策にはおすすめです。
5.清潔にする
チチガは汗をかくことが悪臭の元になっているので、汗をこまめに拭き取って、常に清潔な状態を保つことが大切です。
汗が出た直後はまだ無臭であるため、カラダをキレイに洗い流した直後はチチガのニオイも無臭に近い状態になります。
つまり、カラダを洗いながしてから、次に汗をかいて菌が繁殖してニオイを発するまではチチガのニオイを抑えられるんです!
チチガの方は、エッチをする前はシャワーを浴びることをお忘れなく♪
そして外出時は、お手洗いへ行くたびに、汗の拭き取りシートなどを使用して汗をしっかり拭き取ることがポイントです。
6.締め付けの強いブラ
1つ小さいサイズのブラや締め付けの強いブラを着用して、胸を盛りたい気持ちはすごくわかります。
しかし、サイズの合わないブラや締め付けにより圧迫を感じるようなブラは、蒸れやすい状態を作ってしまうためおすすめできません!
また、お家では24時間着用が可能なナイトブラなどに着替え、乳首周りを蒸れている状態から解放してあげることも大切ですよ。
そうすれば、汗をかきやすい状態を少しでも短縮でき、汗による蒸れやニオイを軽減できます。
7.汗取りパッド
脇の汗ジミを防止してくれる汗脇パッドは、知っている女性が多いのではないでしょうか。
谷間用などといった、胸専用の汗取りパッドも売られているんです!
胸専用のパッドは、洗濯すれば繰り返し使えるパッドがほとんどなので、お財布にも優しくておすすめです♪
汗取りパッドを使用して、胸にかく汗を予防かつ素早く吸収しちゃいましょう。
8.脱毛
雑菌が繁殖しやすい
乳輪周りは細かい産毛が生えており、産毛があると毛根部でニオイの元となる雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。
だから乳輪周りの産毛を脱毛することで、チチガのニオイの元となる雑菌の繁殖を防ぐことができるんです。
カミソリや毛抜きはNG
毛根部を取り除くように毛を抜かないとチチガ対策にならないので、カミソリや毛抜きなどを使用した自己処理では効果がありません!
むしろ自分で毛を抜いただけの状態では、毛穴が開いた状態になってしまうため、余計に雑菌が繁殖してしまう可能性があります。
また、乳首はデリケートゾーンであるため、自分でできるクリームやワックスも刺激が強すぎてしまう場合があるので、あまりおすすめできません。
脱毛サロンやクリニックに相談
とくにチチガの方は、美容外科や脱毛サロンなどに相談して、きちんと脱毛をしてもらいましょう。
ただ脱毛サロンやクリニックでは、「乳首を中心として直径3.5cm~5cmの範囲内」を細かく指定されているところもあるようです。※出典:つるはだ
サロンやクリニックを選ぶ際は注意しましょう。
9.病院
チチガの症状がひどい方は、病院で治療を受けることも可能なので、一度クリニックや美容外科などに相談してみてはいかがでしょうか。
病院で治療を受けるからといって、手術をするとは限りません!
チチガの場合、高周波を使用する“ビューホット”や、超音波を使用する“ウルセラドライ”という治療方法があるため、メスをいれずにチチガを治療できます。
あなたのチチガは一時的なものかも!
妊娠や出産をすると、ホルモンバランスが乱れたり、汗をかきやすくなったりします。
すると、体臭がきつくなったり、アポクリン腺からの汗が多くなったりしてしまうため、チチガになる確率が妊娠前より上がります。
妊娠前からチチガの要素を持っていたけれど、妊娠によってニオイが強くなり、チチガに気づくという場合もあるようです。
しかし、妊娠してからチチガのような症状がみられるようになった女性は、ホルモンバランスが落ち着けば自然と改善されていきます!
妊娠によるチチガは一時的な場合が多いですが、ニオイを感じる間はしっかりチチガ対策を行っておきましょうね。
乳首周辺のニオイと、谷間のニオイは違う!
胸の谷間は汗をかきやすいところであり、とくに夏場は汗が谷間部分に溜まりやすいですよね。
谷間に溜まった汗からニオイを発してしまうことがあり、乳首周辺からのニオイと勘違いしている女性がいるかもしれません。
しかし、乳首周辺からのニオイはアポクリン腺からの汗なのに対し、谷間からのニオイはエクリン腺からの汗であるため、チチガとは異なるものです!
乳首周辺から臭っているのか、谷間からにおっているのか判断しにくい場合は、ガーゼなどで拭き取ってからニオイをチェックしてみると分かりやすいですよ。
まとめ
チチガとは、乳首周辺からワキガのようなくさいニオイを発する症状のことを指します。
汗をかいただけでにおうわけではなく、雑菌や皮膚にいる常雑菌が汗に繁殖して分解する過程で悪臭が発生してしまうんです。
妊娠や出産、遺伝、締め付けの強い下着、強いストレス、緊張よっても、チチガのニオイの強さは左右されてしまいます。
チチガのニオイを抑えるためには、食生活の見直しや通気性のよいブラの着用、清潔にしておくことが大切です。
また、胸専用の汗取りパッドやチチガ(ワキガ)専用クリームを使用したり、脱毛を行うことでニオイを抑えたりする方法もあります。
それどもチチガのニオイに悩む女性は、一度クリニックや美容外科に相談してみましょう。