胸の構造と産後の胸の変化
まず、胸の構造を知り、「産後にはどのような変化があるのか」みていきましょう。
胸の構造
胸の構造は、目に見える部分と目に見えない部分に分けられます。
普段、目に見える部分
◆乳頭…乳房の先にある突起物
◆乳輪…乳頭の周囲にある円型の色素沈
普段は目に見えない部分
胸の変化
産後の胸の変化は、「出産してからどのくらい経つのか」「授乳中なのか」などによっても違いがあります。
産後すぐ
妊娠してから徐々に大きくなってきていた胸が、出産後はさらに大きくなります。
また、胸の張りが強くなり、痛みを伴うこともあります。
出産後1か月~授乳中
産後1か月ほど経つと、赤ちゃんがミルクを飲む量も増え、蓄えられる母乳の量も増えます。
このときの胸の張りの状態は、蓄えられる母乳の量に関係することが多く、母乳がたくさん出る人は張りによる痛みを感じる人が多いようです。
授乳中は、このような状態が持続する人が多く、母乳の量が減ってくると張りの頻度が減り、痛みもなくなってきます。
卒乳後
乳腺が衰えて脂肪が減ることによりサイズダウンし、張りもなくなります。
産後の胸が垂れる原因
・皮膚が伸びたから
・授乳時に赤ちゃんに引っ張られたから
クーパー靭帯が伸びて戻らないから
「クーパー靭帯(じんたい)」は、乳腺組織を皮膚や筋肉と結びつけているコラーゲン組織のことで、乳房が垂れさがるのを防止する役目も担っています。
つまりクーパー靭帯が乳房をしっかりと支えてくれていることで、ハリのあるピンとした美乳を保つことができるのです。
しかしクーパー靭帯はゴムのように伸び縮みしないため、一度伸びたり切れたりしてしまうと二度と元に戻らないといわれています。
妊娠によって胸が急激に大きくなるとともにクーパー靭帯も伸びるため、産後に胸の張りがなくなっても、一度伸びたり切れたりしたクーパー靭帯は修復せず、胸を十分に支えられずに胸が垂れてしまうのです。
皮膚が伸びたから
授乳のためにバストサイズが平均で2カップほど大きくなり、それに伴い胸の皮膚も伸びます。
しかし、断乳に伴って乳腺が衰え、脂肪も減少し、胸が元の大きさに戻ると、皮膚が余った状態になります。
例えるなら、たくさん空気を入れてパンパンに膨らんでいた風船が、中の空気が抜けることでシワシワにしぼんでしまう状態です。
だから皮膚が余ってハリがなくなり、胸を十分に支えられず、胸が垂れてしまいます。
授乳時に赤ちゃんに引っ張られたから
授乳時には、赤ちゃんが乳首を吸いながら母乳を飲みます。
生まれたばかりの頃の赤ちゃんは、それほど吸う力も強くはありませんが、成長するに連れだんだんと吸引力が強くなり、乳首を引っ張るように吸うようになります。
そのため、クーパー靭帯や皮膚が伸びてしまい、胸が垂れてしまうのです。
垂れ乳まっしぐら!産後のNG行為
産後に胸が垂れてしまうのは、クーパー靭帯や皮膚が伸びることが原因です。
では、胸が垂れないようにするためにはどうすれば良いのでしょう?
NG行為を理解して、産後に胸が垂れないように気をつけましょう。
授乳姿勢が悪い
授乳中は、赤ちゃんがきちんと母乳を飲んでいるか様子を見るために、どうしても背が丸まってしまいがちです。
けれど、姿勢が悪いと血の巡りが悪くなり、ハリのない垂れ下がった胸になってしまうこともあります。
ノーブラの時間が長い
ブラジャーは胸を支えてくれるため、クーパー靭帯に負担をかけないようにする役目も担っています。
そのため、ノーブラで過ごす時間が長いとクーパー靭帯への負担が大きくなり、「垂れ乳まっしぐら」となってしまうのです。
スポブラ以外を着用しての激しい運動
産後はダイエットにも力が入るところですが、激しい運動をすると胸も上下左右に激しく動くため、クーパー靭帯の損傷にもつながってしまいます。
そのためスポーツブラをして胸の動きを固定する必要がありますが、スポブラ以外のブラを付けて運動すると、運動時の胸の動きに対応するように作られていないため、胸と十分に固定できません。
運動する場合には、スポーツブラなどを着用しましょう。
間違ったバストマッサージをしている
胸を押し潰すようにマッサージをしている場合は、クーパー靭帯を損傷させてしまう可能性があります。
間違ったバストマッサージをおこなわないよう注意しましょう。
今すぐ予防!産後のバストケア
垂れ乳を防ぐためのバストケア方法を紹介します。
授乳中からでもおこなえるものもあるので、垂れ乳の悩みを抱えないために早めに取り掛りましょう。
授乳中のケア
授乳中は、赤ちゃんや上の子供のお世話などに追われてしまいがちですが、今回紹介するケア方法なら時間もとられません。
さっそく今日から、美乳革命への第一歩を踏み出しましょう。
授乳ブラを付ける
授乳中は、変化しやすいバストラインをサポートしてくれる授乳用ブラや、卒乳後も使用できる産後ブラなどがおすすめです。
授乳中は、バストラインやボリュームの変化に対応してくれるものを選びましょう。
また、赤ちゃんのためにもママのイライラ軽減のためにも、簡単に授乳がおこなえるものを選びましょう。
実際に授乳経験をした私が使っていて便利だったのは、ワンタッチでカップがめくれて授乳ができるブラや、カップを下にズラすだけで授乳ができるブラでした。
どちらもおすすめですが、外出先でも授乳する場合は、乳房を隠すこともできるワンタッチでカップがめくれるブラのほうが良かったです。
→マタニティブラはいつからいつまで?産後のブラの選び方とおすすめ11選
バストアップクリームを塗る
※写真はバストアップクリーム「セルノート」です。
バストアップクリームを肌に塗り込むことで、胸の脂肪を増やしたり、女性ホルモンに働きかけたりする効果が期待できます。
バストアップ効果が期待できる成分にはたくさん種類があるので、成分や配合バランスなども考慮しながら購入するようにしましょう。
美容成分が含まれたバストアップクリームをバスト周りに塗ると、肌にハリツヤが出て、ぷるんとした美乳づくりにも役立ちます。
→バストアップクリームの選び方!あなたに合うクリームがきっと見つかる
授乳姿勢の見直し
姿勢が悪いと血流が悪くなり、栄養が行き届かなくなることがあります。そのため胸のハリがなくなるなど残念な状態になってしまうのです。
授乳中はどうしても背が丸まってしまいがちですが、姿勢を意識し、できるだけピンとした正しい姿勢を保つようにしましょう。
卒乳後のケア
授乳中だけでなく、卒入後もしっかりとケアをおこなうことで、美乳を保つことができます。
ママたちは、育児や生活に追われ、つい自分のことは後回しになってしまいがちです。でも、後悔しないよう、美乳づくりの時間もしっかり確保するようにしましょう。
寝るときはナイトブラを付ける
姿勢やカラダの動きに応じたブラ選びも大切です。
昼間は立ち姿勢に対応し、しっかりと下から胸を支えてくれるワイヤーブラの着用がおすすめです。
しかし寝るときにワイヤーブラを付けていると、寝るときの胸の動きに対応できなかったり、締め付けがキツすぎたりするため、寝るとき用に作られた「ナイトブラ」がおすすめです。
ナイトブラは寝返りなども考慮されていますし、リラックス効果を高めるためにレースなども省かれたシンプルなものになっています。
肌にもやさしく、横に流れる乳房も支えてくれる構造です。
→人気ナイトブラTOP15のおすすめランキング2019!育乳効果を比較!
マッサージをする
バストを保つためには、リンパマッサージが効果的です。
腕を大きく上にあげ、脇の上から下のほうに向かってつまむようにマッサージしてみましょう。
最初は痛く感じますが、老廃物がきちんと流れ始めると、痛みもおさまってきます。
リンパを流すことで血流がよくなり、胸にもしっかりと栄養が行き届くようになり、肩凝りなども解消されますよ。
→バストアップに効果絶大!リンパマッサージのメリット&方法まとめ
筋トレをする
胸を支える大胸筋を鍛えるためには、腕立て伏せが効果的です。
肩幅ぐらいに腕を開いて床につけ、ゆっくりと上下を繰り返しましょう。
こちらの筋トレと併せて、骨盤矯正体操などをおこなうと、より美しいポロポーションへ近づきます。
ツボ押し
人間の体のいたるところに、バストアップに効果があるツボが存在します。
鎖骨の下にある凹みから指1本下の部分に「中府(ちゅうふ)」も、よく知られているバストアップ効果のあるツボのひとつです。
このツボは血流も高めてくれるため、肩凝りにも効果がありますよ。
まとめ
ハリがなく、垂れてしまったおっぱいは、自分で鏡を見るたびに嫌気がさすものです。
そんな後悔を防ぐためにも、授乳中からでもできるケア方法を実践してみましょう。
ハリのある胸を保つためには、ブラジャーの着用がおすすめですが、間違った下着選びもクーパー靭帯の損傷につながります。
また、状況に合ったブラジャー選びも大切です。 授乳中は授乳用ブラを着用し、就寝するときはナイトブラを着用しましょう。
運動するときにはスポーツブラの着用をおすすめしますが、美乳を守るために激しい運動は避けましょう。体を動かすことは大切ですが、クーパー靭帯も大切にしてあげてくださいね。
いろいろな工夫が美乳づくりにつながることがわかっていただけたと思います。
さっそく毎日の生活やクセを改善して、美乳革命に取り組みましょう!